森づくりから家づくりまでの流れ

1.森を育てる

■植林

「高島の木の家」づくりは、何十年もの前に、1本1本想いを込めて、人の手によって植えられるところから始まります。

植林
植林
■育林

「高島の木の家」づくりに使える良質の木を育てるには、植林してから毎年おこなう下刈りをはじめ、雪に倒れた木を起こし、何年かに一度の間伐や枝打ちをするなど、時間をかけて大切に育林することが必要です。

枝打ち
枝打ち
間伐
間伐

2.木材生産

■伐採

植林してから40~100年くらいでようやく伐採です。

伐採後、山で2~6ヶ月、山でそのまま木を寝かせます。そうすると、葉が木材の水分を吸い上げて、木材の乾燥が促進されます。また、木材のあくも同時に吸い上げられ、材の色合いも美しくなります。

伐採
伐採
葉枯らし
葉枯らし
■玉伐り、搬出

伐採した木は、木の曲がりや家づくりに使う寸法を慎重に見極めながら玉伐りをし、作業路や林道まで搬出します。最も危険で手間のかかる作業です。

玉伐り
玉伐り
搬出
搬出

3.製材

■製材

玉伐りされた丸太を、家づくりに使う形や寸法になるように、木のそりや年輪の片寄りなどを慎重に見極めながら、製材機でひきます。

■桟(さん)積み、自然乾燥

製材後は、桟(さん)をはさんで、1本1本積み上げていきます。積み上げた状態で、そのまま半年以上寝かせて、製材した木材を自然乾燥させます。自然乾燥は、乾燥期間が長くなりますが、乾燥機に入れる人工乾燥よりも、木の粘りや強度が高まり、材の色合いも美しくなるといわれています。

■ストック

家づくりの注文があってから製材し自然乾燥したのでは、半年以上も待たなくてはいけません。「高島の木の家」づくりでは、そのようなことがないように、あらかじめ家づくりに使う部材を自然乾燥させつつストックし、注文にすぐに対応できる体制を整えています。

製材
製材
桟(さん)積み、自然乾燥
桟(さん)積み、自然乾燥
ストック
ストック
■品質管理

高島の木材は、施工に問題がないよう適正に品質を管理しています。(具体的には、木材の乾燥の度合いを表す含水率は30%以下、木材の強度が求められる梁材や通し柱材には樹齢50年以上もしくはヤング係数【木材の強度を表す数値】E70以上のものを使用します。)
また、どこで生産された木材かを明らかにするために、木材の切り口には高島市の地域名を記した刻印を押しています。

木材品質測定風景
木材品質測定風景
木材品質測定風景
木材品質測定風景

4.設計監理

■基本設計

施主様と十分に打ち合わせし、施主様の暮らしや好みに合った基本プランを作成します。

 

■実施設計

施主様がより暮らしやすく、そして、きちんとした施工ができるように、基本プランをいくつもの図面にしていきます。地震などに対する建物の安全性も十分にチェックしていきます。

 

■監理

設計どおりに適切に施工できているか、施工の状況をチェックします。さらに、より質の高い施工方法について、施主様の立場で、施工者と協議します。


5.施工

■手刻み

自然乾燥終了後、大工さんの加工場に運ばれた製材品は、しっかりとした強い木組みができるように、木と木を組み合わせる部分に、仕口や継ぎ手と呼ばれる加工を施します。家の骨組みの基礎となるため、2~3ヶ月もかかる重要な作業です。
手刻みといわれる、人の手で加工を施した場合は、木と木を組み合わせる部分に金具を使う必要がないので、何百年も長持ちする木組みをつくることが可能です。

■棟上げ

手刻みをした製材品を組み上げていきます。通常、組み上げは2~3日程度で終了し、屋根の一番てっぺんまで木が組み上がることを棟上げといいます。棟上げは、家づくりの過程で最も重要な節目となる伝統的な儀式です。

手刻み
手刻み
棟上げ
棟上げ
■仕上げ

木組みができたあとは、壁工事、屋根工事、内外装工事、設備工事など、設計に合わせた仕上げをおこないます。土壁の場合は、棟上げから仕上げまで約半年かかりますが、温度や湿度の調整機能がすばらしく、日本の気候に最も合っている仕上げの工法です。

土壁などの自然素材
木だけでなく、土壁などの自然素材を多く使っています。
竹小舞のできる職人
土壁の下地である竹小舞のできる職人さんは、都会ではほとんどいません。
高島の木を使ったカウンターの製作中
内装の仕上げ工事。
高島の木を使ったカウンターの製作中です